鉾を納めれば、黒完勝だった。

陳嘉鋭九段 vs 二子 高野圭介

                                高野圭介自戦記

2007年12月9日 同文会・神戸華僑会館

183手完 白中押し勝ち


祝賀の
記念碁


陳先生が
日本棋壇のトップグループで、リーグ入りした。
最初は1991年の本因坊戦リーグ入り。
今回は2007年の名人戦リーグ入り。

そのお祝いに駆けつけての記念碁である。



九段第一号


それはそれは昔のこと、
藤沢朋斉九段が無類の力戦で、棋界を圧倒した。
その朋斉先生にも一つの泣き所があった。

形勢判断が出来ないのである。
いや、出来ないのではなくて、
分かっていてもトコトンやっていく。
しばしば勝ち碁を落とした。

それでも、日本の九段第一号となった。



問題の手
二つ


本局、問題の手は二つ。

1.左上黒22ハネ・・・普通に、23ヒキがよい。
2.上辺黒58は訳の分からん封鎖的一着で、拙い。

もし、
黒が鉾を納めて、黒118で、121に打てば、
自動的に右辺は大きな黒地が構築される。
それで、完勝金星だった。



金星は
スルリと


しかし、ここで私は朋斉をやってしまった。

取れない大石を追っかけ回して、
遂に仕留め損なった。ここに、
金星はスルリと毀れてしまった。


高野朋斉圭介


大敗したけれど、私はすがすがしかった。

むしろ、改名して
高野朋斉圭介としたくなった程だ。